11/28/2015

読書


寒い日が続き息子の本棚から古い本を出して読み始めました。
天童荒太の本は「永遠の仔」を以前読んだことがあり、
持ち重りのする本だった記憶があります。
今度の本も題名を見てもそんな気はしました。
「悼む人」まだ若い青年ですが、
不慮の事故や悲惨な事件で新聞報道のあった死亡記事をもとに
その現場に赴きご冥福を祈るのではなく、
どんな人でも生前は幸せな「ひととき」があったはずだと、
その思いを現場で「悼み」忘れないように心にとどめて
全国を野宿しながら「悼み」の旅を続けて行くお話です。
そのような事件を面白おかしく書くルポライターと
自殺ほう助で服役して出所した女性と、
末期のがんに侵された主人公の母親の三人が、
それぞれの章で彼とかかわりを持ち、疑問を持ちながらも死生に関することに目覚めて行く
やはり持ち重いお話でした。
母親のがんと向き合う姿が上手に書かれていてこんな風に終われたらいいな~と
思いました。
作者の謝辞で八年の歳月をかけて完成した作品だそうで、
ありがたく読ませていただきました。
今日の様な小春日和の天高い青い空のもとでは遠いお話になってしまいますが・・・

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