1/26/2009
火の山
津島佑子さんの母方の家族をモデルとした小説のようです。甲府在住の地質学者だった祖父や、彼女の母を含めてた、八人の叔父叔母達の有森一族としての歴史を知りたいと思い立った孫娘の由紀子(佑子)が、アメリカに渡った物理学者の叔父勇太郎に書いてもらった作品という体裁で、
その上、アメリカ育ちでフランスに渡った為日本を知らず(嫌いで)、日本語もできない彼の娘牧子へのメモワールとして残したものでもあるので、フランスに居る牧子の息子パトリスが日本語を読めない母親の為にフランス在住の日本人女性にフランス語に翻訳してもらうという変わった形態で物語が進みます。
内容は、兄を亡くし父亡き後、六人の姉に囲まれた末っ子で家長の勇太郎の優しい目で見て感じた 昔々の一家の成り立ちから、甲府盆地から火の山(富士山)を見ながら八人兄弟の幼い頃の平和で豊かな様子や学者の論文、現在のフランスでの会話と目の回るような展開で話が進み、私は家系図を作りながら上巻を読みました。
下巻では、戦前戦後を生きて来た女性達が、戦争による悲しい犠牲がある中にも姉妹で一生懸命に助け合って生きている様子に心が清められました。読み応えがあり、久しぶりにゆっくり読みました。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
宮崎あおい主演の朝ドラ「純情きらり」の原作ですね。ドラマの方も戦時中の話で重苦しいところがありましたが、原作はさらに登場人物も多くて重厚な感じがしますね。1回15分の朝ドラではなく、大河ドラマにしても良かったかもしれません。
返信削除「純情きらり」・・・そうなんですか!
返信削除朝ドラは時間的に見ることが無く、「純情きらり」の題名は知ってましたが、思いつきませんでした。
どんな内容だったのでしょう。
宮崎あおいさんは誰の役だったのでしょう。
照子・筆子ではないでしょうから、杏子か桜子かしら・・誰でもドラマ意なる人でしたから